「古さがあるから新しさを求めて」 環境は変わっても「いのちの大切さ」は変わりません。「わたし」のいのちは一つです。ひとりひとりが違いを認め合い輝く未来を抱いて、社会を生き抜いてほしいと願っています。そこで私たちは、子どもたちが育つため子どもの成長に合わせた環境を考え実行に向け努力しています。毎日生活する園の中で、大人が教え指導するのではなく、楽しさや失敗の繰り返しから、自分の身につくことが、生き抜く力に繋がります。
光徳保育園 園長
1.保育者との関わり
早く眠くなってしまう子もいれば、まだまだあそびを続けていたい子…と子どもたちの生活リズムや遊びのペースはそれぞれ違います。
子ども一人一人の生活リズムや個々の特性・欲求に応じて、保育者が役割分担をし、複数の保育者(チーム保育)で、子どもたちの成長を見守っています。
『見守る』とは「見る」=一人一人を理解する。「守る」=適切な援助をする。
初めての園生活の中では子どもも初めての環境で不安もいっぱいです。
十分に受容された経験が大人との信頼関係を築き、徐々に働きかける対象を広げていき、他の子どもとも相互の関わりを持ち広げていきます。その中で、自分の感情や意志を表現したり、相手の気持ちに気づいたり、共感したり、また我慢など感情をコントロールすることを学び、集団に適応できる力を育んでいきます。 その為子どもにとって、いつでも困ったら、助けてもらえるという安心感が自ら行動することになり、どんどんと活動を広げていきます。
この輪が大きくなっていけるように大人が支えるということがとても重要です。
保育者は、安心した環境を作り、子どもにとって不安な際の駆け込める場所でいたいと思っています。やってあげる保育ではなく、子どもたちのやりたいことを引き出し、保障する保育を目指しています。
2.友達との関わり
光徳保育園では異年齢保育を行っています。 0.1歳では、発達の連続性を踏まえより発達が近い子どもを一緒にして保育をしています。
2歳児だけは、年齢別のクラスを設置しています。それは、発達のスピードに個人差が大きいのが2歳児までということと、段々と仲間との楽しさを感じるようになる時期だからです。集団という意識が生まれるこの時期に小集団の中でしっかりと生活の自立や人との関わりの基礎を築き、次の大きな集団(3.4.5歳)への準備をするために2歳児だけ年齢別保育を行っています。
3.4.5歳児は生活・遊びを一緒に保育しています。園での生活や活動・体験を通して、友達と一緒に笑ったり泣いたりする中で、友だちの存在や関係性も深まっていきます。
どの子も個性は違います。一人一人の特性を大事に見守っていくと、次第に他の人と生きる事が子どもたちにとって自分の喜びとなっています。そこから他人の痛みを知ったり、他人の喜ぶことを手助けしようとする思いやりの気持ちも芽生えています。
異年齢で過ごす中で、子ども同士の関わり合いから「人と関わる」力が育っていくことを大切にしています。
3.自ら選択する
遊びの空間の中に子どもたちのその時の興味関心に応じた「ゾーン」を設けています。子どもたちは自ら遊びを選択して、満足するまで集中して遊び興味を深め、活動の幅を広げていきます。
自分でやってみたいと思う前にやってもらっていると、自らやってみようという意欲がなくなっていきます。言われた通りのことをやることが多くなると「やりたくない気持ち」が生まれてしまうことになります。すると「言われなくなったらやらない」「言われるまでやらない」ということになっていってしまうのです。これでは、子どもの自主性や意欲が育まれていきません。
自分で選択して決めるからこそ最後までやりとげようとする気持ちが芽生えます。
失敗もよい学びになります。そこから考える力や乗り越えようとする力も育っていきます。 子どもが自ら選択し意欲的に様々な体験ができるような環境づくりを大切にしています。
4.生命尊重
園庭では様々な植物や生き物と触れ合うことができます。
畑に野菜の苗を植えたり、給食やおやつで食べる野菜の皮むきを体験したり、身近な動植物に触れたり育てたりすることで、命の大切さを感じています。
また、3.4.5歳児はセミバイキングで給食を食べています。お当番と保育士が配膳を担当し、子どもたちは自分が食べたい分量を自分で配膳の人に伝えます。 苦手な物は「ちょっと」 ほんの一口になってしまうこともありますが、子どもたちの主張した量を尊重しています。たとえほんの一口でも、苦手な物を『全部食べられた!』という満足感を感じることを大切にしています。
5.様々な体験を通して
七夕・もちつき・ひなまつりなどの伝統行事に触れ、季節を感じる機会を作っています。
その行事にちなんだ食事やおやつを食べることも子どもたちの楽しみの一つです。
他にも保育園でしか体験できないようなイベントがたくさんあります。
その一つ一つがワクワク!ドキドキ!
自ら考え、主体的に行動するためには、からだを使ってやってみる・感じてみるという「体験」が大切です。また、その体験をする上で、気づいたこと・感じたことを互いに分かち合える友達や保育者も大切な存在です。子どもも保育者もみんなが笑顔になるような体験を大事にしています。