0.1歳児クラスの子ども達と食事を食べていると、野菜などを見た目から「食べたくない!」と拒む姿はよく見られます。
ある日、私が見ていた子の中に特に野菜が嫌いなAちゃんがいました。
私がどれだけ「美味しいよ」「食べたら野菜さん嬉しいよ」など声を掛けても、Aちゃんは頑なに口を閉じて首を横に振り、野菜を食べようとしてくれませんでした。
苦手な物を無理やり食べさられるのは、大人の自分でも嫌だな…と思い、Aちゃんに副菜を勧めることを辞めて、私は自分の分の副菜を食べました。
するとAちゃんが私を見つめたあと、「先生、美味しい?」と聞いてきたので、私は笑顔で「美味しいよ!」と答えました。
Aちゃんはしばらく自分のお皿に入った副菜を見た後、副菜の中に入っているきゅうりをぱくっと食べたのです!
そして、「きゅうりさん、美味しいね」とAちゃんは言って、副菜を見事完食!
また、それまでAちゃんと同じように副菜を拒んでいたBくんも副菜に入ってるもやしを1口食べて、Aちゃんの2人で「美味しいね」などと笑い合う姿もありました。
その日の降園時にお母さんにその話をすると、Aちゃんはお母さんに、「先生が美味しいって。だからAちゃんも食べたの」と言っていました。
私はその言葉を聞いて、『言葉で勧める』よりも『美味しそうに一緒に食べる』ことの方が、子ども達の中で美味しいというイメージがより具体的になり、食べたいという気持ちに繋がるのかな、と思いました。
また、食事は日常の中のほんの些細な場面ではありますが、その中でも、子ども同士のコミュニケーションの場となったり、「美味しい」「食べられた」など嬉しい気持ちをお友達や保育士と共感し合える大切な場所なのだと、改めて気付く事が出来ました。
保育士 Y.A