プリンセスが好きなAちゃんは3歳児クラスの頃、4・5歳のお姉さんたちが描いている可愛いプリンセスが描きたい!!でも描けない!どうしたらいいの!?とよく泣いたり、怒ったりしていました。「こう描いてみたら?」と定規などを使ったりしてアドバイスをもらいながら描いてみるも、これじゃだめなの!となかなか納得するものが描けず…。お姉さんたちに「かいてほしい」とお願いをして描いてもらい納得する日々でした。
そんなAちゃんは4歳児クラスになりました。毎日のようにお姉さんに描いていてもらい今でもお姉さんたちが作るものに憧れて、同じのが欲しい!と自分で作り方を聞いたり、やってもらったりしながら挑戦を続けていますが、自分でも描いてみようと経験を積み重ねてきた結果、納得のいく絵が描けるようになってきて、絵を描くことを楽しんでいます。
そんなAちゃんがある日忘れ物をしてしまい、朝から落ち込んでいました。目の前で3歳児のBちゃんが「ママに会いたくなっちゃった」と泣いていました。保育士は「そっかそっか…寂しいね」とそばに座り、2人とも同じキャラクターの服を着ていたので、「あれ?同じだね!可愛い!」とさりげなくTシャツのことに触れると、Aちゃんがその場を離れ、紙と色鉛筆を取りに行きました。お絵かきする気持ちになったのかな?と見守っていると、Bちゃんの元へ戻ったのです。そして、Tシャツをみながら「目はこう?鼻はこうかな?」とBちゃんに聞きながらキャラクターを描き始めました。Bちゃんも楽しそうにそれにこたえ描き終えると、気持ちが切り替わったのか、何事もなかったかのように他のお友達のところへ行きあそびに入ることができました。
Aちゃんも落ち込んでいたのに、一つのことをきっかけに切り替わり、Bちゃんと関わりながら話をする様子に、お姉さんに書いてもらった経験がたくさんあったAちゃんだからこそできた行動なのではないでしょうか。やってもらってばかりではいけないのではと思いがちですが、出来ないことを頼ってやってもらったという経験も大事なことですね。
1年でこんなにも大きな成長を見せてくれたAちゃん。改めてこのような成長を側で日々見守ることのできるってすごいことだなと感じました。
保育士H・M