言葉がたくさん出てくるようになった2歳児クラスでは、大人も顔負けの面白いやり取りはもちろんですが、「貸してほしい」「まだ使いたい!」などトラブルも見られます。
ある日、絵本ゾーンでAくんが読んでいた絵本を一緒に見ていたBくん。絵本に載っている新幹線の絵を2人で指差しているうちに、いつの間にか絵本がBくんの手元にある事にAくんが気付き、「Aくんが使ってたよ。返して!」とBくんから絵本を取り替えそうとしました。
絵本が欲しくなったBくんも負けじと「Bくんも読みたいの!」と絵本を手放そうとせず、2人で絵本の取り合いに…。
そんな様子を、別の場所で最初からずっと見ていたCくん。AくんとBくんの絵本の取り合いが始まると、ゆっくり絵本ゾーンに歩いてきました。
どうするのかな、と思いしばらく見ていると、Cくんは絵本をすっと取って「Aくんが使ってたね」と言いながらAくんに渡しました。
そして、泣いているAくんに「やだったよね」と言ったあと、Bくんの方を向いて、「あの絵本はAくんが読んでたんだよ。Bくんはこっちの新幹線で遊ぼうよ」と言って、自分が手に持っていたブロックで作った新幹線をBくんに渡しました。
Bくんは泣き止み、Cくんと一緒にブロックゾーンへ行き、Cくんがくれたブロックの新幹線で笑顔で遊び始めました。
お友だち同士のトラブルがあると、「どうしたの?」「泣いてるね」と保育士に尋ねてくる子は多いのですが、このように自らお友だち同士のトラブルに向かい合って、声を掛けたりする姿は初めて見たので、素直に驚いてしまいました。
使っていたAくんの気持ち、欲しかったBくんの気持ち、どちらにも寄り添いながら優しさのある声掛けをしたCくんの姿に大きな成長を感じました。
保育士Y・A