あそびの中で子どもたちがお友だちと関わる際に目にする光景。
それは『貸し借り』です。
園の中にはどのクラスにも様々なあそびのゾーンがありますが、どのゾーンにもクラスの人数分の玩具は置いてありません。
お友だちが楽しそうにあそんでいる姿を見ると「私もやってみたいな!」と、お友だちの使っている玩具であそんでみたいと思うようになります。
そこで生まれるのが『貸し借りのやりとり』です。
乳児期は身振りや喃語を使って相手に対して何か訴えたり、言葉が出始めると短い言葉で「かして〜」と言うようになったり。
気持ちが先走って勝手に取ってしまうなんて姿もあります。
3.4.5歳の幼児クラスになるとお友だちとの関わりも増えスムーズに貸し借りできるようになるのでは⁇
そんな風に思ったりもすると思います。
確かに貸して欲しい時にお友だちに自分から気持ちを伝えることもできますが、貸して欲しいと言われたからといって、今使い始めたばかりの玩具をすぐに貸すことはできないですよね。
ある時3歳児の子が5歳児の子に対して「それ貸して」と言っている姿がありました。
5歳児の子は返事をせず黙っていました。
するとその姿を見ていた4歳児の子が「お兄さんなんだから貸してあげなよ」と5歳児の子に声をかけていました。
その姿を見てそんなつもりはなかったとしても、私たち大人が年上が我慢をするということを考えさせてしまったのかなぁ…と思ってしまいました。
貸し借りに年齢は関係ありません。
年上の子だって今使いたい気持ちは大事にしたい。
そういう場面で保育士は「あなたはどうしたい?」「すぐに貸しても大丈夫?」などと尋ねるようにしています。
すると「今使っているから終わったら貸すね」というやりとりが生まれます。
でもその後に生まれるのは「今使いたいのにー‼︎」という貸して欲しい子の待てない気持ち。
その『待つ』をどのように『待つ』のかも子どもたちと一緒に考えます。
・砂時計を使って砂時計が終わったら交代する
・タイマーがなったら交代する
・時計の長い針がこの数字になったら交代する
などなど、子どもたちが約束を決めて借りるのを待ちます。
待っている間時計を眺めている子もいれば、違うあそびをして待っていよう!と考える子もいます。
『貸し借りのやりとり』を通して、子どもたちの人と関わる力が育まれていることを感じます。
担当 S.Y