絵本や紙芝居が大好きな2歳児クラスの子ども達。保育士の読み聞かせた絵本から、クラスで流行語のように広まった言葉があります。「もったいないばあさんが来るよ」です。『いただきます』という、もったいないばあさんシリーズの絵本。その内容は、一人の女の子が、ご飯もパンも野菜も海藻もみんな嫌い!食べたくないと。そこへ「もったいない、もったいない」と言っておばあさんが登場します。見た目もインパクトのあるおばあさん。子ども達はちょっぴり怖がりながらも絵本を見入り、「もったいなーい!」と真似します。
実際の給食の時間。好き嫌いが出てくる年頃でもあるため、「これいらない」「好きじゃなかったの」ということもしばしば。すると側で食べているお友達が「もったいないばあさんが来るよ」と忠告します。言われるとバツが悪そうに。やっぱり無理!と食べられない子もいれば、「食べる前に減らしておくとよかったね」と保育士が量を減らすとがんばって食べる子もいます。
食後のうがいの時、コップに注ぐ水の適量が分からず並々入れたり、水を流しっぱなしで服を濡らしてしまったり。そんな時も保育士が「お水もったいないよ」と声をかけていることもあって、「もったいない」は子ども達に徐々に浸透していきました。
年末年始の長いお休みが終わり、また子ども達が「これ読んで」と絵本を持ってきました。色々な動物が出てきて歯磨きを楽しそうに行い、歯がピカピカになったと喜んでいるお話を読んでいた時のこと。「もったいなーい!」と子どもが言い出しました。その子は絵本の歯磨き粉を指差しました。歯磨き粉が出過ぎてしまったように渦を巻いて長く伸びていたのです。「そうだね、もったいないね!」と子どもの気づきの成長を感じました。
保育士N.W.