つぼみ組(二歳児)でのある朝、保育士に上着などを脱ぐよう声がかけられるとAくんは「いやだ!脱ぎたくない」と言い、そのままの格好で遊ぼうとしていました。
そこへ「Aくんおはよう!一緒に遊ぼう」と言いながらBくんがやってきました。Aくんが上着や帽子を着たままだという事に気がついたBくんは、「あれ、ジャンパー着たままだよ。ぬいで」と伝えます。しかし、Aくんは脱ごうとしません。
Bくんは少し考えた後に「脱ぐの難しい?手伝ってあげようか?」と言ってジャンパーのチャックに手をかけ、脱がし始めました。Aくんは嫌がるかと思いきや、Bくんに脱がしてもらい帽子もすんなり脱ぐことが出来たのです。
しかし、脱ぐことが出来たのはいいのですが、Aくんは玩具に夢中でその脱いだ物をしまおうとしてくれません。するとBくんは、「しまうの嫌なの?そっかー、じゃあ、これ(玩具)で遊んだ後にしまってね、お約束だよ」といい、Aくんとお約束をしていました。
このやりとりの中で、BくんはAくんの気持ちを考え、その気持ちを受け止めようとする姿が見られます。Aくんも、お友だちに気持ちを受け止めてもらったことで、安心したり気持ちを切り替えたりできたのかもしれません。
最近のつぼみ組では、お友だちのトラブルに気がつくとすぐに仲裁に入り「どうしたの?何が嫌なの?」などと寄り添う姿がとても多く見られるようになりました。保育士が入らなくても、お友だちに話を聞いてもらい受け止めてもらうことで、納得して解決することが出来るのです。
また、トラブルになったり仲裁に入ることで、相手の気持ちを知ったり考えたり、自分がどう思っているか伝えたりする経験になっていると思います。
保育士 R.S