年が明け、また子どもたちが元気に登園するようになり、戸外あそびをしている時に最近、ふと感じたことがあります。入園して間もない4月はまだ歩けない子がたくさんいて、そこからあっという間!0.1歳児クラスの子みんなが、靴を履いて園庭であそべるようになったんだな、と。バギーに乗ってお散歩している子だったり、まだよちよち歩きの子は保育士と一緒に手を繋いで歩く練習をしたり、そんな日々がもう懐かしく思えるほど、今では隅から隅まで探索し、走り回って、お友だちと大笑いしながらあそんでいます。
そんな中、発達が近い2歳児クラスとはよく一緒に園庭であそぶ機会があるのですが、1歳児クラスの高月齢児は、お兄さんお姉さんのあそび方をとてもよく観察している姿があります。
スルスルと肋木を上り、滑り台を颯爽とすべっていく2歳児のAくん。1歳児のBくんが、それをじっと見つめていました。
Bくんは「僕にもできるかな?」と少し手を伸ばして足をかけてみます、グッと踏ん張ってみるものの、力の入れ方も体を支えるバランスも上手くいかず、表情は歪んでいきます。でも「上りたい!」何度もAくんを見上げてはいろいろな形をトライし、やっぱりまだ難しい。「なんで!上りたい!」そんな心の声が聞こえてきそうな程で、気付けばBくんは20分以上もそれを繰り返していました。
見守っている中で私もいくつか考えました。「まだできないから違うものであそぼう?」と声かけようかな「もう少し大きくなったらできるから、それまでのお楽しみだね?」なんて声かけようかな…。
そんなことをグルグル考えていると、Bくんが急にパッとこっちを見て私と目が合いました!よくよく見てみると、一段だけ、たった一段だけなのですが、両足が肋木に乗っていたんです!とても嬉しかったのかBくんは1人ニコニコ、それはもう満足そうに降りてその場から離れていきました。
私はどこかでまだ難しいだろうな、今日は無理だろうな、と思っていた部分があったのに、Bくんは自分で試行錯誤し、何度も諦めずに挑戦したからこそ、これまでの自分からほんの少しだけれど「やった!一歩進めた!」そんな瞬間でした。
あの時、ネガティブな声をかけなくて良かった、と思いつつ「もう先生!何も上りきることがゴールじゃないんだぞ!」と目でうったえられた気もします(笑)
そしてそれと同時に、Bくんが憧れたあのAくんにも、こんな時期があったな、とか、もうクラスが変わる春先には、Bくんも上りきって笑いながら手を振っているんだろうな、とか…。そんなほっこりする想像も膨らんで、子どもたちのおかげで、私は毎日楽しく学ばせてもらっているのでした(笑)
保育士 A.S