園では給食で使う野菜に触れる機会を増やしています。この日はスープに入れるキャベツを3~5歳の子どもたちにちぎってもらいました。旬の春キャベツは葉がとても柔らかいので簡単にちぎれてしまいます。「小さいクラスの子たちも食べるから、食べやすいようにちいさくしてあげようね」と声を掛けると、弟のいるAくんは「(弟の)お口はこのくらいだよ」と言って丁度いい大きさにキャベツの葉をちぎっていきます。Bくんは「こんなにかたいと食べられないね」と言ってキャベツの芯まで小さくしようと頑張ってくれました。
夢中になってちぎっているなかで「実は私キャベツ好きじゃない」という子がいました。好きじゃなくてもお手伝いはしたい!という気持ちが大きいようです。どうして嫌いなのか尋ねてみると「噛むとキュってするのがやだ」と言っていました。歯ごたえが嫌なのかな?と思ったので「スープのキャベツはとろとろにやわらかくなってるから、きっとキュってならないと思うよ」と伝えると「大丈夫そうだったら食べる」とのことでした(笑)
食べ物の好き嫌いは本当に人それぞれです。先日のZOOM懇親会や、お家の方とお話をする機会に「○○が嫌いで食べてくれない」というお話をよく聞きます。カレーが嫌いな子、お肉が嫌いな子、牛乳が嫌いな子……嫌いなものも理由も様々です。お家の方からすれば「栄養が足りていないんじゃないか?」と不安になりますよね。本当に何も食べないというのであれば対策は必要ですが、にんじんはダメだけどかぼちゃは食べる、等似たようなもので食べられるものがあればいいかな、と気楽に考えてみても良いのかもしれません。
保育園では嫌いな物に対して無理強いする事はありません。子ども自身が自分の食べられる(完食できる)量を考えて、給食の量を決めています。その中でいつの日か「今日は食べてみようかな」と苦手な物にチャレンジする気持ちが芽生えることを期待して、毎日子どもたちの苦手な野菜も給食に出し続けています(笑)
今は苦手な食べ物も、楽しい食体験や思い出によって大好きな食べ物に変わっていくといいなあと思います。
栄養士 S.O