春は出会いと別れの季節と言われておりますが、光徳保育園でも3月に27名の子どもたちが小学校へ巣立ちました。
年長組の子どもたちは就学に向け3月の1ヶ月間は年長児だけで過ごします。
卒園を迎える2週間ぐらいの間、子どもたちと毎日『宿題』を行いました。
この『宿題』は保育士が考えたものを家で行なってくるものではありません。
『宿題』のテーマを自分たちで考え、家に帰って自ら調べたり考えたりするものです。
まず子どもたちに疑問に思っていることやみんなと考えたいことなどを毎日尋ねました。
・なぜフラミンゴは片足で立っていられるの?
・日本はどうやってできた?
・うさぎのしっぽはなぜ丸い?
・どうして魚は泳げるの?
などなど、
子どもたちが考えたいことを出し合い、その中から今日考えたいテーマを1つ決めるようにしていました。
するとそれぞれお家で保護者の方と図鑑やパソコンなど様々なアイテムを使って調べ、次の日に発表をしてくれました。
難しい言葉を紙に書き写している子や、調べたことを頭の中で思い出して伝える子もいました。
保護者の方から聞いたこんなエピソードがあります。
パソコンでお子さんと一緒に『宿題』を調べた際、保護者の方はパソコンに載っていることを紙に写したら良いのではないかと伝えたそうです。
しかしそのお子さんは
『自分が発表するのだから自分の言葉で紙に言葉を書く』
と言ったのだそうです。
保護者の方はそんなことを考えられるようになったのかと、お子さんの成長をとても嬉しく感じたとおっしゃっていました。
年長の子どもたちとは1年を通して友だちと考えること・話し合うこと・相談することを行ってきました。
活動では常に子どもたちとどうしたいのか?どうしたらよいのか?その為に何が必要なのか?を話し合っていました。
だからこそ自ら考えるという力だけでなく、こんな風に相手に伝えたい!という気持ちも育つのだと感じました。
昨年はコロナウイルスの感染予防により今までと同じことのできない1年となりました。
例年行ってきた行事も行えず、それでも子どもたちには楽しい園生活を過ごしてほしいと保育士間でたくさん相談をしました。
色々と制限された中でも自分たちで考えた企画の活動など行うことで、その為に必要な準備を友だちと一緒に進める日々。
振り返ると子どもたちは毎日友だちと笑い合い、笑顔に溢れていた1年だったなぁと感じます。
年長の子どもたちの最後の登園日の日。
たまたま日本人エアレーサーの方が空にスマイルを描くという企画がありました。
子どもたちと空を見上げ、見上げている子どもたちの表情はまさに空に描かれている表情と同じ笑顔に溢れていました。
なんだか子どもたちの門出を祝福してくれているようで、一瞬ではありましたがとても嬉しい時間でした。
卒園が寂しい…
保育園がとっても楽しかった!
最終日はそんな言葉をずっと言っていた子どもたちでした。
卒園時の子どもたちの言葉に、色々制限された中でも充実した1年を過ごせたのだなぁと救われたような気持ちになりました。
4月になり新しいお友だちが入園し、新しい年がスタートしています。
まだまだ感染の収束が見えない状況ではありますが、子どもたちと毎日笑い合って、また笑顔の溢れる1年になりますように…。
保育士 Y.S