好き嫌いが少しずつ出てくる2歳児クラスでは、ご飯を食べる前に「これは食べられる?」「食べたくないのある?」と子ども達とのやり取りを大切にしながら、子どもが苦手だと思ったり「食べたくない」と言ったものは減らすなど工夫をしています。中でも、野菜が苦手な子は多く、減らしたとしても残す子はいます。大人でも苦手な食べ物はあるので、子どもにも苦手なものはあって当然…なので、食べたくないときに無理強いはもちろんしません。ですが、「食べたらご飯を作ってくれた先生喜ぶかもしれないね」「残したら給食の先生悲しくなっちゃうかな?」と作ってくれた人がいることや、その人たちの思いを伝えたり、「少しだけでも食べられたらもっと大きくなれるかな?」と子ども達が「食べたい!」と思えるような声掛けをしています。それでもどうしても食べたくないときは、「次は食べられるようになるといいね」と次に繋がる声掛けも意識しています。
そんなある日の2歳児クラスでの食事中、主菜(豚肉と大根のあんかけとじ)に入っていた大根を食べたくないから減らしたい、と言ったAちゃん。「1個だけ置いておくから、食べられそうだったら食べてみてね?」と伝えて、1個だけ残してみました。ご飯を次々と食べ、後半に豚肉少しと大根だけが残りました。「Aちゃん、大根どうする?」と聞くと、「…大根さん食べたら、ご飯の先生嬉しい?」と聞いてきたので、「うん、すごく嬉しいよ!」と伝えました。すると、「じゃあ食べられる」と言って豚肉と一緒に大根を口に入れたのです!飲み込んだあと、「Aちゃんすごいね!食べられたね!」とたくさん褒めると、「ご飯の先生嬉しいね」と笑顔を浮かべたあと、完食して空になったお皿を見て「ピカピカになったよ!」と完食できた達成感にさらに喜んでいました!
少しずつ物事を理解し始めている2歳児だからこそ、作ってくれた人がいることや、食べられたとき、残したときにその人たちや食材がどんな気持ちになるかを伝えることはすごく大切だな、と改めて気付くことが出来ました。また、Aちゃんのように苦手なものを食べられたときの嬉しかった体験が積み重なって、自信に津ながら、少しずつでも食べられるものが増えて行ったらいいな、と感じた出来事でした。
保育士A・Y