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2019年 11月

親の背中を見て育つ

2019/11/29

 

 

ある時、子どもたちと遊びながら玩具を拭いていた時のことです。はじめは、ただ、じっと見ているだけだった0歳児の女の子。気付くと遊びに使っているハンカチを手に取っておもちゃを拭く真似をしているのです。「お手伝いしてくれているの?ありがとう。」と声をかけると、にこにこ笑いながらお辞儀をしていました。
子どもって周りのお友達や大人のすることを常に観察し、興味のあることは真似してみようと思うものなんですね。こうして色々なことを学んでいくのでしょう。
さて、私たち大人が、何気なく使っている言葉、何気なくやってしまう事。沢山あると思いますが、子どもたちに真似して欲しくないことも平気でしていること、あるかもしれませんね。
「親の背中を見て育つ」と言います。親だけでなく、私たち大人は見られても困らない背中を持たなくては・・・。としみじみ思いました。

保育士 K.Y

1等賞のない 運動会

2019/11/23

今年も10月に近くの小学校体育館をお借りし 運動会がありました。
最近の異常気象で気温が高く炎天下の中紫外線の影響も考え、また、歩行が安定していない子どもたちのことを考慮し 戸外ではなく 体育館で行っています。

運動会と言えば、半世紀を過ぎた私の年齢でも 親御さんたちの年齢でも 大人はとかく自分が経験した運動会を想像します。

きちんと並んで行進する、みんなで揃えて体操をする、1等賞・・・を決める等々、大人の思い出の運動会の形だったのではないでしょうか。

今は、10年ほど前から運動会の目的を変えています。
自ら身体を動かそうとする意欲が育つ、普段の生活や遊びの中で、体験し、様々な遊びの中でのびのびとあそび、他児とかかわりながら主体的な活動を展開する、運動会での演技や競技が完成形ではなく、子どもたちの発達の経過点のひとつになっています。

走ることが苦手な子にとっては、運動会は楽しいものではありません。個々の子どもたちの発達を喜ぶ目的にした運動会は、子どもたちが自分ができるものを選択して決め、目標に向かって努力できるような環境を保育の中で保育士が整えています。

リレーではグループでの勝ち負けはあります。また、1番2番と順位を決めるかけっこのイメージを私たち大人も子どもたちも思い浮かべています。

しかし、今年は、順位を嫌がり取り組めない子どもの様子を見た保育士が、子どもが自主的に取り組もうとする意欲が育つようなリレーをバトンつなぎにしたというエピソードを聴くと 保育という奥深さを感じます。

副園長

命に触れて

2019/11/15

先月、一日動物村という行事が園にありました。

0.1歳児の乳児クラスを持つ私としては、動物との触れ合い方や、びっくりしてしまったりしないか、怖がったりしないか、など参加の仕方を少し悩んだりしました。

 

当日の朝、不安もありつつ子どもたちと一緒に園庭に行きました。実際にハムスターやひよこなどを抱っこしている私のそばで「触りたい!」という子にそのまま手渡してみると、0.1歳なりに触る時の力加減を調節したり、亀、ねずみ、ひよこ、それぞれ持ち方を変えてみたり、その子なりに試行錯誤しながら触れ合う姿が多く見られました。私が心配していたよりも子どもたちは自分で考え、触れ合いを楽しめるのですね。

 

他のエサをあげている子たちに目を向けると、自分よりも大きな体の羊に「美味しいんだね!」と気持ちを共感しながら頭を撫でて、嬉しそうにしている子もいました。

へびを首に巻いたり、おしゃべりする鳥に話しかけたり、各々はしゃいでいる中、1匹の犬を見つけ、みんなで近くまで寄ってみました。お腹を出してリラックスしている犬に、子どもたちは優しく撫でながら「すごい!ワンチャン!温かいんだね!」と何人かの子が言いました。

 

つい去年までは毎日泣いていたあかちゃんだった子たち。小さな命の温度を感じて感動する姿に、胸が熱くなりました。

私たちの園では、生命尊重という理念があります。乳児クラスの中で、どのようにそれを伝えようかと悩むことがありますが、その瞬間に言葉ではなく、実際に命のある、温もりのある存在に触れることが1番なのではないかと感じさせられました。その可愛らしい小さな気づきをきっかけに、優しさや思いやりを少しずつ、少しずつ子どもたちの心の中に育んでいけたらいいな、と思います。

保育士 A.S

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